2020東京都知事選挙が終了し、現職の小池百合子氏が2期目の当選を果たしました。
2位以下となった候補者はほぼ予想通り。
中で4位に終わったものの知名度の低かった維新推薦の小野泰輔氏が、3位の山本太郎氏に肉薄して善戦したのが印象的でした。
ところで、5位は当然立花孝志氏だろうと思っていたら違いました。
日本第一党から立候補した桜井誠氏が18万票近くも得て5位に。
立花孝志氏は43912票で6位に終わったのでした。
どうしてこうなったのでしょうか?
目次
桜井誠氏に対するマスメディアの扱い
その先鋭的な保守思想が敬遠されてか、桜井氏は事前のマスメディア報道からはほとんど無視に等しい扱いを受けていました。
日本第一党は政党要件を満たしていないためか、NHKのニュースにおける候補者動静で紹介された記憶は私の知る限りありません。
今回の開票速報中もご覧の扱い。1人だけ顔写真を出してもらえていません。↓
本当に酷いです。 pic.twitter.com/4PWYrr87H0
— ひょこりん (@yutoamihawaiiki) July 5, 2020
子供「ママ~この灰色のところって誰?」母親「!?」これは真面目な話で好奇心旺盛なお子さん、若者はこうしたことでテレビ報道を疑い始め、ネットで桜井さんの活動がさらに拡散されるだろう https://t.co/m3jfSETdqQ
— Kentaro (@Kentaro43414661) July 5, 2020
う〜ん、ちょっとヒドいかも。桜井ファンの人が嘆くのもわかります。
さて、そんなヒドい扱いを受けていた桜井誠氏がN国立花氏を大きく引き離して5位に躍進した理由はなんでしょうか。
桜井誠氏が躍進した理由の考察
桜井誠氏が5位に躍り出たことは、多くの人にとっても驚きでした。
早速ツイッターではトレンド入り。
Yahoo!ニュースの考察
Yahoo!ニュースでは文筆家の古谷経衡氏が「日本第一党・桜井誠氏18万票の衝撃」と題して興味深い考察をしています。
「保守界隈・ネット右翼界隈」と「行動する保守」の分離は、共通の敵を失った烏合の衆の内紛が原因であり、結果としてそれにより遠心分離器にかけられるかの如く「保守界隈・ネット右翼界隈」と「行動する保守」が分離したことにより、より強い差別性と排外性を持った「行動する保守」が可視化され、その投票先が桜井誠氏一本に絞られたことにより、今回の18万票という数字が出来上がったのである。(7月6日・Yahoo!ニュース)
古谷氏の考察は「より過激な保守層とマイルドな保守層が内紛によって分離され、過激な保守層が投票先を桜井誠氏一本に絞った結果である」との意見。
保守層が先鋭化することで支持を集め、より純粋に桜井氏に投票先を絞った結果との読みです。
一理あるようにも思えますが、それにしても一部の保守がより先鋭的になったのなら敬遠するマイルド保守の人の票はどこへ?
小池氏に流れたのなら桜井氏に行く票は逆に減りそうな気がします。ちょっとわかりにくいです。
桜井誠氏の躍進を考察するネットの声
https://twitter.com/7znv478zu8tnswj/status/1279975244157956096?s=21
個人的に注目してたのは、桜井誠氏が「減税」をより強く打ち出したことだった。4年前は外国人生活保護の撤廃だったはずが、まずお金の話をする。これは完全に「れいわ」的なやり方の模倣だな、と。 https://t.co/flwY3R510e
— 石戸諭 (@satoruishido) July 5, 2020
- 若い層を中心にネットリテラシーの高い人が増えた
- 「都民税ゼロ」などのお金の公約が分かりやすかった
との意見。
私の意見もこれらの方々に近いです。
桜井誠氏の躍進に関するラクダの考察
ラクダは以下のように考えました。
桜井氏躍進に対する考察
- 10代が多く選挙権を行使した
- 桜井氏の公約はシンプルで分かりやすい
- 策を弄した6位立花孝志氏のオウンゴール
10代の選挙権行使
18歳の選挙権は、2016年6月から施行されました。
前回2016年の都知事選では、まだ18歳の若者の多くが都知事選挙を身近なものとして捉えておらず、棄権にまわりました(全体投票率より18歳の投票率は7.9%下回っています)。
ところが、今回は多くの10代の若者が選挙に足を運んだようです。
最近の若者の一部は保守に傾くことが多いので、今回の都知事選でもその傾向が現れたと見ています。
シンプルな桜井氏の公約
桜井誠氏の公約は、実にシンプルで分かりやすいです。↓
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桜井誠氏とはどんな人?東京都知事選出馬記者会見の過激すぎる中身とは|ネットでの人気は絶大!
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特に「・都民税・固定資産税・都知事給料の3つのゼロ」は誰にでもわかる強力な文言。アピール大です。
そのほか、自粛要請に従わなかった業者が出たなどで、とかく評判を落としたパチンコ業界に対する厳しい公約も後押しした可能性があります。
N国党立花孝志氏のオウンゴール
立花孝志氏は今回の選挙では最初からとにかく目立ちまくっていました。↓
特に「ホリエモン新党」を立ち上げ、同党から複数の候補を出馬させて選挙ポスターに堀江貴文氏の写真を並べる手法は、誰しも呆気に取られるやり方。
さらに肝心の堀江氏は立候補しなかったのですから、多くの有権者が「??」となるのも無理はありません。
選挙を大切な1票の行使ととらえるならば、選挙制度の裏のウラをかくような立花氏の戦略が裏目に出て、彼に期待していた有権者の支持を失った可能性は否定できないのではないでしょうか。
選挙は、一人ひとりにとって大切な権利の行使です。
多くの普通の有権者にとっては気をてらったようなウルトラCよりも、生活者に寄り添った政策を発してくれる政治家に1票を託そうとするのは当然のこと。
今回の選挙戦をウォッチしながら、そんな当たり前のことをふと思い出したラクダなのでした。
まとめ
- 事前の選挙活動時にはマスメディアに無視に近い扱いをされていた日本第一党・桜井誠氏が18万票近く得て躍進
- 6位立花孝志氏に大差をつけて5位入り
- 保守層の分裂によるものとYahoo!ニュースが署名入り考察記事を掲載
- ツイッターで「桜井誠氏18万票の衝撃」がトレンド入り
- ・ネットリテラシーの高い層が増えた ・減税公約が分かりやすかったなどのネットの考察
- 10代の若者の選挙権行使?
- N国党首立花孝志氏の選挙活動に対する有権者の無言の抗議の可能性
まとめるとこんな感じでしょうか。
なお、ラクダの考察はあくまでラクダ個人の感覚です。
色々な考えがあって当然であり、また18万票程度では足りないとするネットの声、立花氏はあえて悪役を演じているだけであるとの考察も見られました。
4年に一度の東京都知事選挙は終わりました。
戦い終わった各候補者の皆さまお疲れ様でした!
多くの有権者の支持を集めた小池百合子氏の、これからの都政運営手腕を注視していきたいと思います。