宇治は京都近郊の観光地としてポピュラーな存在。
宇治の名所といえば世界遺産の平等院があまりにも有名ですが、古来から交通の要衝として栄えた歴史から、隠れた名所旧跡も多いもの。
風光明媚な土地柄ゆえ、平安時代には貴族たちの別荘地となり、源氏物語「宇治十帖」の舞台ともなりました。
本記事では、そんな宇治のもう一つの世界遺産である「宇治上神社」についてレポートします。
あちこちの世界遺産をよく訪れる人も、「宇治上神社に行ったことがある」という人はそれほど多くないのではないでしょうか。
隠れた世界文化遺産である宇治上神社への、平等院からのアクセスや宇治神社との関係、由来、参拝レポートと口コミ評判をまとめてみました。
参拝のご参考になれば幸いです!
目次
宇治上神社 基本情報とアクセス
基本情報
正式名称・読み方 | 宇治上神社(うじかみじんじゃ/うじがみじんじゃ) |
住所 | 京都府宇治市宇治山田59 |
創建 | 不詳 |
ご祭神 | 『菟道稚郎子(うじのわきいらつきのみこと)』、『応神(おうじん)天皇』、『仁徳(にんとく)天皇』 |
拝観時間 | 9:00〜16:30 |
拝観料金 | 無料 |
駐車場 | あり |
公式ウェブサイト | − |
問い合わせ先電話番号 | 0774-21-4634 |
宇治上神社の歴史は古く、本殿と拝殿はともに国宝に指定されています。
拝殿は鎌倉時代に、本殿は平安時代後期に建てられ、現存する日本最古の神社建築として貴重なもの。また境内に鎮座する春日社は重要文化財です。
1994年、当社を含む京都の17 箇所が同時に「京都古都の文化遺産」としてユネスコの世界文化遺産の指定を受けました。
ちなみに宇治上神社の「世界文化遺産指定区域」は、「後ろの木々の景観も含め境内地・建物すべて」です。
境内の建物だけでなく背景となる山々や木々の茂りをも含めて、世界文化遺産にふさわしいと認定されたということ。
厳かな雰囲気にも納得です。
アクセス
- JR宇治駅から徒歩20分
- 京阪宇治駅から徒歩7分
京都駅から宇治へはJR奈良線一本で17分。
今回宿泊したウェスティン都ホテル京都からですと、地下鉄東西線蹴上駅から終点六地蔵まで18分、JR六地蔵駅から宇治駅まで8分。
意外と近いな、という印象です。
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また平等院からは宇治公園経由で徒歩15分ばかり。宇治川にかかる二つの橋を渡り、宇治神社〜宇治上神社へと心地良い散歩道が用意されています。
御利益(ごりやく)
ご祭神 | 御利益 |
菟道稚郎子(うじのわきいらつきのみこと) | 学業成就 |
応神天皇 | 勝負運 |
仁徳天皇 | 病気平癒、悪運を切り、良縁を結ぶ |
神功皇后 | 安産 |
稲荷社 | 商売繁盛 |
(「宇治上神社の不思議」リーフレットより)
主祭神として3柱をお祀りする宇治上神社の御利益は、ご覧のように多岐に渡ります。
一生懸命お祈りすれば、多くの願い事が叶いそう(^○^)
特に菟道稚郎子(うじのわきいらつきのみこと)はとても聡明な方だったとのことで、そこから由来した学業成就のお守りを多く見かけました。
宇治上神社の由来
宇治上神社の祭神である菟道稚郎子(うじのわきいらつきのみこと)と仁徳天皇は、応神天皇の皇子であり兄弟でした。
末の弟の菟道稚郎子は大変聡明で学業に優れ、弟でありながら皇太子に任ぜられますが、兄の仁徳天皇に皇位を譲るために自害したという逸話が残っています。
また宇治上神社の境内は菟道稚郎子の離宮「桐原日桁宮」であったと伝えられ、旧称の「離宮明神」はそれに因むとされています。
宇治上神社の近くには名前のよく似た「宇治神社」があり、明治時代までは二社で一体の神社でした。
これらの事象から、宇治上神社と宇治神社は、悲劇の皇子である菟道稚郎子の御神霊をお祀りする神社として創建されたのではないか?とみられています。
宇治上神社の歴史
宇治上神社の歴史は非常に古く、創建年代などは明らかになっていません。
延長5年(927年!)に成立した、当時の全国の神社一覧である「延喜式神名帳」の中に、すでに「宇治神社二座」の名があります。
宇治上神社と宇治神社は対をなしています。
明治以前には宇治上神社は「上社」・「本宮」、宇治神社は「下社」・「若宮」と呼ばれたほか、両社を合わせて「宇治離宮明神」・「宇治離宮八幡宮」と総称されていました。
永承7年(1052年)、近くに平等院ができたのちは、両社はその鎮守社とされたと伝えられています。
明治時代に二社は分離したものの、現在でも一対をなすかたちで宇治の街に鎮座しています。
昭和27年(1952年)、本殿と拝殿は国宝に指定。
また平成16年(2004年)の宇治市などによる年輪年代測定調査によると、宇治上神社の本殿は1060年のものと判明。
これにより「現存する国内最古の神社建築」であることが確定しました。
宇治上神社が世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産として登録された大きな理由の一つであると考えられます。
宇治上神社 参拝レポート
本ブログ管理人のラクダは、JR宇治駅に近い平等院を観光したのち宇治上神社に向かいました。
平等院の出口からのルートはわかりやすく、美しい宇治の街を堪能することができます。
辿ったコースは以下の通り。
- JR宇治駅
- 平等院
- 宇治公園(橘橋・朝霧橋)
- 宇治神社
- 宇治上神社
- 京阪宇治駅
JR宇治駅から平等院までは徒歩12分ほど。
平等院をでたら右方向へ。オシャレなスタバなどのお店を左手に見ながら進むとやがて宇治川に出ます。
まず渡るのは、広い川の中洲にあたる宇治公園にかかる「橘橋」。どことなく優美な曲線を描く橋です。
次に朱塗りの欄干も鮮やかな「朝霧橋」を渡ります。まさに源氏物語の趣。
渡った先に見える鳥居が宇治神社(重要文化財)です。まずはこちらを参拝しましょう。
宇治神社をあとにして山の方に向かってしばし歩くと宇治上神社の鳥居が見えてきます。
どうですこの幽玄な雰囲気。思わず姿勢を正してご挨拶。
境内に入る門をくぐると真っ先に目に入るのが国宝「拝殿」。鎌倉時代の建立とされています。
左手下方に見える円錐型の砂山は「清めの砂」といい、9月1 日の八朔祭(はっさくさい)に氏子さんたちによって奉納されるもの。
境内のお清めの砂として1年間盛られます。
拝殿の脇には有名な「桐原水」が。『宇治七名水』のうち現存する唯一のもので、今も豊かな水量をたたえています。
ここが宇治上神社の「手水」。飲む場合はそのままではなく沸かしてからにしましょう。
拝殿の裏手に国宝「本殿」があります。これぞ日本最古の神社建築。いかにも古そう。
‥対象物が大きすぎて入りきれていませんσ(^_^;)ので、ウィキペディアの写真をお借りしました。
素晴らしい写真です。雲泥の差です(´∀`) 優美な曲線を描く屋根の様子がよくわかりますね。
建物の内部には、祭神である三柱の内殿が並んでいます。
向かって右側の「左殿」に菟道稚郎子、中央の「中殿」に応神天皇、向かって左手の「右殿」に仁徳天皇がお祀りされています。
境内にはいくつかの小さな社があります。
中でも目につくのは、本殿横の「春日社」。鎌倉時代の建築で、重要文化財指定。小さいながらも本格的な神社建築で、格式の高さを感じさせます。
春日社の隣には住吉社と香椎(かしい)社が並んでいます。向かって右側の香椎社のご最新は神功皇后。安産の御利益があると言われています。
こちらは厳島社。
境内奥には武本稲荷社が。小さいけれど色鮮やかなお社と、謎めいた石段の上の碑が印象的。
その他パワースポットとして、以前お社が合った「社跡」の標である巨石があります。
跡とはいえ以前はお社が合った神聖な場所なので、間違って人が踏んだりしないように大きな石などをおいて敬う日本の慣しとのこと。
「天降石」「岩神さん」などと呼ばれ、しめ縄が巻かれて祀られています。
これら全部のお社にゆ〜っくり参拝してから社務所で御朱印を書いて頂いても、所要時間は約30〜40分ほど。その後、徒歩で京阪宇治駅に向かいました。
宇治川沿いにはオシャレなお店が並び、右手を見れば高級住宅街。
宇治は、平安時代からお金持ち(貴族!)の住む街なのですね(^○^)
川沿いの散歩道は実に心地よく、風光明媚な宇治の街をしっかりと堪能することができました。
宇治上神社の口コミ評判
宇治上神社の口コミをGoogleから拾ってみました。
悪い口コミ
神社において「悪い」というワードはいかがかとも思いましたが、忌憚ない口コミ評判をお知らせしたく、微妙な投稿も含めてご案内します。
とても落ち着く神社です。御朱印の種類も多く素敵ですが、社務所の方の対応が少し残念でした。
世界文化遺産に登録前は地元の者にも、ほとんど知られていなかった小さな小さな神社でしたが、いまでは商魂たくましく、狭い境内に、お守りや、記念日がいっぱい!神秘さや、霊感あらたかさは、これっぽっちも無くなったいました。(原文ママ)
個人的には、好きな神社に入ります。社務所では、神社の歴史や説明、お守り関連の説明を手書きPOPみたいに沢山あり
ちょっとひきます。そこまで、アピールしなくて良いのではと感じてしまいます。
神社の駐車場に「この駐車場に停めて宇治上神社以外の施設に行った場合は高額な料金をいただきます」みたいな看板や音声ガイダンスが流れてきてやや興ざめしちゃいました
まぁ…モラルを守らん人が何より悪いんやけど
なー
ここに心の洗濯に来てる人もいっぱいいることもお忘れなく!
駐車場に関しては、「道が狭いので車で行くとちょっと怖い」「急に『高額料金を〜』などの音声が流れるからびっくりする」などの声がありました。
「停めたまま他の施設に行くと高額料金」というのはちょっと怖いですよねσ(^_^;) むしろすっきりと時間貸しにした方が良いのでは?という声も。
世界遺産です。直感的視覚的に、わっすごい!というものではありません。無料で拝観できます。なぜどういう理由で世界遺産に相応しいのかを勉強してから来ないと、拍子抜けすると思います。
ぜひ、当ブログで予習をしていらして下さいませ!(*^▽^*)
良い口コミ
当然ながら良い口コミの方がずっと多いです。
宇治にお住まいの方に紅葉の穴場として案内頂けました。
国宝の拝殿の檜葺きの屋根の造りの美しさは私の語彙力では表現できません。
予想以上に境内はコンパクトでした。
本殿を目の当たりにすると素朴な感じ故に日本最古の神社建築だと感心しました。〜(中略)〜平等院とは対照的ですが、一見の価値は充分にあると思います。
歴史のある佇まいで内部に入るとひんやりと感じられました。
平等院鳳凰堂から橋を渡って15分程で歩いていけますのでどちらも見られるのをオススメいたします。
境内に足を踏み入れただけで、背筋が伸びる気がします。
素晴らしい佇まいの神社です。
清廉な湧水がありました。
鳥居からお社までの道が紅葉の木で覆われており、秋の紅葉時はさぞ綺麗だろうなと感じました。
境内は落ち着いており、雰囲気が良いです。御朱印の種類も季節毎にあり、全部で16種類あると伺いました。
他の御朱印も頂きたいですが、別の季節でまた参拝してみたいです。
歴史に裏打ちされた伝統を感じ、神聖な気持ちになり、心を洗われました。
まだまだ続きますがこの辺で。「神聖な気持ちになる」「荘厳な雰囲気」「身が引き締まる」などの意見も見られました。
まとめ
宇治の知られざる世界文化遺産構成資産、「宇治上神社」についてお伝えしました。
宇治へは平等院への観光目的で来たのですが、せっかくだから他に見るべきところはないかな?とガイドブックを見てたどり着いたのがここ。
宇治上神社は、「世界遺産」のイメージに相応しい派手さはありませんが、長い歴史の重みを肌で感じられる場所です。
その荘厳な佇まいは、千年という気も遠くなるような時間の流れにも失われることなく、むしろ存在感を増していくよう。
本殿の前では、伊勢神宮を訪れるときにも似た、厳粛な気持ちになったものです。
宇治へ観光へ行かれる方は、ぜひとも「宇治上神社」を、できれば「宇治神社」と合わせてご参拝されることをおすすめします。
日本という国の素晴らしさ、かけがえの無さを思い起こさせてくれることでしょう。(*´꒳`*)
宇治を観光するならウェスティン都ホテル京都はおすすめ!ラグジュアリーな雰囲気と宇治への利便性が抜群です。
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ウェスティン都ホテル京都 ラグジュアリースイート宿泊レポ|クラブラウンジ の特徴は?
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