2021年12月3日公開の映画「フラ・フラダンス」を観てきました!ので、その感想をシェアします。
「フラ・フラダンス」は、福島県いわき市のテーマパーク「スパリゾート・ハワイアンズ」が舞台の青春アニメ。
職業としてフラ を選んだ少女たちの奮闘と彼女らを支える人々を通して、働くことの大切さや家族の絆の尊さを描き出す作品です。
なお、本記事は一部映画のネタバレを含みますのでご留意下さいませ。
目次
「フラ・フラダンス」 ネタバレなしの感想
出典:「フラ・フラダンス」パンフレット画像
いやあ‥‥よかったです!感動しました。
恥ずかしながら泣きましたよ、ええ。( ;∀;)マスクが心底ありがたかったです。
基本的にコミカルな味のあるコメディなのですが、要所要所に涙腺を刺激するツボがあり、しっかり「泣ける」映画になっています。
スパリゾート・ハワイアンズが舞台なのでフラダンスを扱ってはいますが、フラの映画ではありません。
平凡で、ちょっと頼りない雰囲気の少女が、仲間と共にフラという「仕事」を通して成長していく物語。
普遍的なテーマなので、フラに全く興味のない人でも映画を楽しむことができます。
もちろん、フラが好きな人、フラを学んでいる人にとっては嬉しいシーンが目白押し。
「ALOHA」という言葉の意味とハワイ語の発音や、ハンドモーションがちゃんと曲の歌詞を語っているところ。
音楽が鳴ると自然と集まって踊ってしまったりするところ。メイクをするとつけまつげのために別人レベルで顔が変わるところ(笑)。
そして、フラダンサーにとってのもう一つの「聖地」の、ある場所。懐かしいなあ‥。
アニメファンにも超おすすめです。
実写かと見紛うほど精緻に書き込まれた背景や映像の美しさ。アイドルアニメダンスの楽しさや盛り上がり。
特にモーションキャプチャーで描かれたというダンスのシーンは圧巻です。
そして、この映画のテーマのひとつは「家族」。
物語を通して、登場人物一人ひとりの、様々な「家族」の形が描かれます。
家族の絆のかけがえのなさ、大切さがあふれていて、観終わったあと胸の中がほっこり、ふんわり暖かくなってきます。
人は、「家族」に支えられつつ「仕事」を通して成長してゆくのだなあと、素直に納得することのできる、そんな映画です。
この映画はぜひ、家族で観て頂きたい。
比較的小さなお子さんからおじいちゃん、おばあちゃんの世代に至るまで、家族みんなで楽しめる映画です。
子供たちはキラキラした楽しさを感じ、大人たちは希望と元気をもらえる、そんな作品です。
「フラ・フラダンス」で気になった点
映画であれドラマであれ何であれ、全てにおいて完璧な作品などは存在しません。
良作「フラ・フラダンス」ですがやはり気になる点はあります。ちょっと挙げてみましょう。
- フラの動きはあとひと息なめらかさが欲しい
- ディーン・フジオカの声がキャラに合わない
- ヒロイン日羽(ひわ)の転び方に違和感
フラの動き
劇中歌のアニメノリなアイドルダンスの動きは、臨場感たっぷりで実に見事。
モーションキャプチャーはキレのある動きにはしっかり対応できる模様です。
一方、フラ独特の、切れ目なく水の流れるようなゆったりとした動きはまだ苦手なのか、ハイレベルなフラダンサーの踊りを完璧になぞっているとは言い難いものがありました。
特に、随所に出てくる「虹」を表すハンドモーションでは、あとひと息なめらかさがあればと感じました。
フジオカの声が合わない
先に謝っておきます。ファンの方すみません。ですがやはり、鈴懸涼太の役にはディーン・フジオカの声はいまいち合わなかったです‥。
フジオカの声は低めで特徴的な響きがありますし、まだ慣れていないのかちょっと棒読みな印象。
見るからにソフトな印象のイケメンである涼太役には、普通にイケメンボイスな声優を充てた方が良かったのではないでしょうか。
平和人役の山田裕貴がなかなか達者だったため、「フジオカの声」が余計に耳についてしまったのは少々残念に感じました。
日羽の転び方に違和感
日羽はフラの初心者なので上手くないのは当然なのですが、フラダンスでは初心者もあまり「転ぶ」ことはないです。
一人で練習している時も派手に転んでいましたが、普通に基本ステップの「カホロ」を踏む時にあんな風に転ぶのは逆に難しいような。
おそらくは「フラの初心者」のアニメ的な表現のひとつなのだと思いますが、例えば4歩でターンをするようなタイミングで転ぶようにしていればより説得力が増したと思います。
「フラ・フラダンス」 ネタバレ感想
ここからはネタバレを含む感想になります。↓
やはり、日羽の姉・真理は震災で亡くなっていたのですね‥。
悲しみを押し隠して日羽の生活をサポートする両親の淡々とした姿に、まずは心を打たれました。
あの災禍にあって、多くの家庭がこのような悲劇に見舞われ、それでも前を向いて生きていっているのだということが伝わってきました。
真理はこの作品におけるキーパーソン。
家族はもちろん、交際していた鈴懸涼太の中に、真理のハワイアンネーム「プアラ(太陽の花)」を受け継いだ先輩あやめの中に、今も生きていたのですね。
そして日羽を案じ、ことあるごとに励ましてくれたCoCoネェさんの中にも。
ラスト、日羽を見守り、励ましてくれたCoCoネェさんがその役割を終え、真理の思い出と共にただのぬいぐるみに戻っていった場面は胸に迫るものがありました。(´;ω;`)
「フラ・フラダンス」のテーマの一つに家族の絆があります。
主要人物オハナ・カアイフエのハワイの家族のイメージはリアルなハワイの大家族そのもの。海を見てホームシックに陥るオハナは実に可愛らしい。
たまにはハワイに帰りたいよねえ‥。
逆に、核家族の日本を象徴するのが鎌倉環奈の家庭です。
神奈川県内の、たぶん優秀な高校のフラ部の部長を務めるくらいの環奈ですから、両親は有名大学への進学を期待していたんだろうなあと想像がつきます。
そんな家庭では「娘がプロのショーダンサーになるなど、とんでもないこと」という価値観があるはず。
それでも最終的に娘の選択を受け入れ、フラの大会に出場する環奈の応援のために駒沢体育館までやってきた環奈ママ。
歩道橋の上でわかり合う母娘の姿にほっこりと安心感を覚えます(*´꒳`*)
また、先輩あやめは平和人と新しい家族を作ることになり、鈴懸涼太は真理への想いを胸に一人、家業を継ぐために実家に帰ります。
もしも真理が生きていれば、あの造り酒屋の女将さんになっていたんだろうかと思うとまた(´;ω;`)
こんな調子で感動ポイントを挙げているとキリがありませんのでこの辺で。
「笑って泣ける青春ドラマ」であり、家族の絆の尊さを強く描くこの作品、ぜひご家族そろってご覧になってはいかがでしょうか。
まとめ
出典:「フラ・フラダンス」パンフレット画像
- 「フラ・フラダンス」は笑って泣ける青春ドラマ
- 仕事を通して成長する若者たちの物語
- フラをまったく知らなくても楽しめ、フラを知っていればもっと楽しめる
- アニメスタッフの豪華さからアニメファンにもおすすめ
- 家族の絆の尊さが描かれるため、家族連れにぜひおすすめしたい佳作
映画「フラ・フラダンス」のネタバレなし・あり、両方の感想をお伝えしました。
本作で密かに嬉しかったのが、駒沢体育館が出てきたこと。
現在はコロナ禍で行われていませんが、2020年以前はフラの全国大会がよくあの場所で行われていました。
ハワイから有名クム(フラの大家)をジャッジとして招聘し、厳正な審査のもとフラダンサーたちが華やかに競っていたものです。
年月を経た体育館の建物の様子、バックヤード、観客席などがリアルに描かれ、一時期自分があの場所にいたことが懐かしく思い出されました。
フラを知らない人も、フラダンサーも、元フラダンサーもみんながこぞって楽しめる「フラ・フラダンス」。
一人でも多くの人に見て頂きたいと思っています!
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