多くの鉄道ファンにとって残念なニュースが飛び込んできました。
静岡県の川勝平太知事は26日、JR東海社長の金子慎氏と会談し、工事が中断されていたリニア中央新幹線の静岡県内工事準備について意見を交換。
川勝知事は会談後の記者会見で、大井川の環境問題を理由に「建設は認められない」と明言しました。
これにより、リニア中央新幹線の27年開業は延期がほぼ確定しました。
鉄道ファンだけでなく、日本経済の活性化にもつながると期待されていたリニア中央新幹線。
それに対し、「大井川の水は一滴たりとも渡さない」と強硬な川勝県知事。
なんともガンコに見える川勝静岡県知事とは一体どんなお方なのでしょう。
また、彼は地元ではどのように評価されているのでしょうか?
目次
川勝静岡県知事の経歴と任期
川勝静岡県知事の経歴は以下の通りです。
生年月日 | 1948年8月16日 |
出生地 | 大阪府 |
学歴 | 早稲田大学政治経済学部卒業・早稲田大学大学院経済学研究科修士課程終了・早稲田大学大学院経済学研究科 博士課程単位取得満期退学・オックスフォード大学大学院終了 |
研究分野 | 比較経済史 |
学位 | D.Phil. (Doctor of Philosophy,オックスフォード大学・1985年) |
職歴 | 1990年4月、早稲田大学政治経済学部教授・1998年4月、国際日本文化研究センター教授・2007年4月・静岡文化芸術大学学長 |
ご立派な経歴です。非の打ちどころのない優秀な学者先生という感じ。
そんな偉い先生が政治の世界に入ってきたのはどういった経緯でしょうか。
- 2009年、紆余曲折の末当時の民主党・社会民主党・国民新党の推薦で静岡県知事選挙に立候補を表明
- 自民党・公明党が推薦した坂本由紀子氏に約15000票差で辛勝・静岡県知事に就任
- 2013年6月の知事選挙で2期目当選
- 2017年6月の知事選挙で3期目当選
紆余曲折というのは、2009年の知事選挙では出馬に関しての発言がコロコロ変わったという経緯があるからです。
色々と、悩んでいたのかもしれませんね。
知事選挙は4年ごとに行われるため、川勝氏の静岡県知事としての任期は来年2021年6月までということになります。
リニア建設に反対する川勝静岡県知事への地元の声
11年もの間、県知事として静岡に君臨し続ける川勝氏。
地元での評判はどんなものでしょうか。
ツイッター上の様々な声をランキングとしてまとめたサイト「ついラン」で、川勝知事のリニア問題に関する反応を調べてみました。
大井川用水を利用する側からしてみたら本当に生活に支障をきたす問題だから慎重に協議して頂きたい
住民の命の水を守ろうとする静岡(県)知事の真剣さが伝わる
自然破壊、特に水に関することは(中略)地域に住む人の生活の根幹を壊す恐れがある。
特に地元の人々らしい多くの声が、明確にリニア建設に反対していることがわかります。
知事の「リニア建設は認められない」との明言は、地元の人々の声をある程度代表するものと言えそう。
彼だけが闇雲にリニア建設に反対している訳ではないのですね。
ただ、こんな指摘もあります。↓
静岡県の主張は、正論のように思える。
しかし、「湧水全量を戻す」点にこだわるのは、渇水時の心配ばかりして、増水時の危険性を考えていないように思えてならない。一般に、トンネル工事で発生する湧水は、その工事による河川の減水分より多い。そのまま地中に留(とど)まる水もあれば、水脈をたどって山梨県や長野県に流れている水もあるからだ。(2019年10月2日・IT mediaビジネスONLINE)
逆に、大井川の水量が増えすぎることを懸念する意見もあるということ。
各方面からよくよく検証する必要があると思います。
記事の引用元はこちら↓
川勝県知事の今回の意見表明に対する様々な声
大井川の水源の一部が失われるという静岡県民の一大事、川勝知事が反対するのは当然。リニアなんかより、飲料水や農業用水の維持の方が大事。川勝さん頑張れ。
— 恋愛小説家(真水で30兆円) (@funny44people) June 26, 2020
今、日本のエリートを自称する人々は、二つの大きな勘違いをしている。
それは、日本社会が311のフクシマ原発事故以前に戻れると思っていること、もう一つは、アフタコロナの世界は、以前とは全く違うと思っていないことである。もう、リニアのコンセプトは古いんですよ!https://t.co/kfCdZ65PHg
— 山本正樹 (@jackandtamiko) June 25, 2020
誤解を恐れず、一言で言うと、
「川勝知事のわがまま。」
日本にとって有害な判断を続けています。
新潟でも、同じような知事さんがいたような、、、。 https://t.co/vvzBHalpLx
— 小鮒将人 (こぶなまさと) (@light77) June 26, 2020
賛否両論あるようですね。
まとめ
- リニア中央新幹線建設は静岡県の反対により27年開通に間に合わない可能性が高い
- 川勝静岡県知事は環境問題をタテに一歩も引かない構え
- 川勝知事は大学教授が前職の知識派首長
- 地元住民も知事に同調する声が多い
- 逆に大井川の水量が増えすぎることを懸念する意見も
ラクダは考える
環境問題は複雑です。
様々な事象や意見が絡み合い、現時点でははっきりとした結論は出ないこともしばしば。
県民の水資源を心配する知事の態度は自治体の長として理解できる部分もありますが、ことはすでに静岡県だけの問題ではありません。
リニア中央新幹線は、品川〜名古屋間(285.6km)を最短で40分で、品川〜新大阪間(438km)を最短67分で結ぶ計画です。(msn news)
この計画が実現すれば、首都圏・中京圏・近畿圏が通勤圏となって、日本人口の半数を超える約7000万人の巨大都市圏(スーパーメガリージョン)が誕生する。巨大都市圏は世界をリードする経済圏となり、経済効果は地方にも波及すると期待されている。(2019年10月9日・ニュース)
なんとも夢のある計画ではありませんか。
もちろん実際は、この青写真のようにいかない可能性もあります。
特に新型コロナウィルスの影響により、今までのようには人の移動が起こらず、試算通りにはならないという意見はかなりありました。
中には、「これからの日本は衰退する一方なのだから、そんな贅沢なシステムは必要ない。貧乏国に相応しく、慎ましく暮らせばよいのだ」などという悲しくなるような意見も。
私はそうは思いません。
日本人は昔から汽車や電車のような乗り物が大好きで、日本中に網の目のように鉄道を張り巡らせてきました。
狭い国土のこの国にとって、それらはただの「環境破壊」だったのでしょうか。
そんなわけないですよね。
遠く離れた地域と結ばれることで経済が活性化して、地域が発展してきたことは間違いありません。
リニア中央新幹線は、なんとなく元気のない今の私たちに夢を与えてくれる大きなプロジェクト。
川勝知事が心配する大井川の環境問題も、日本の技術力でクリアできるはずです。
遠くない未来に、ぜひともリニア中央新幹線で東京から大阪まで一気に旅をしてみたいと思いませんか?