任期満了に伴う2021年の秋田県知事選挙は、3月18日告示、4月4日が投開票日。
13日現在、4選を狙う現職の佐竹敬久知事に対し、3人の新人が立候補を表明し、合わせて4人で争う構図となっています。
新人3人のうち、元衆院議員の村岡敏英(としひで)氏は60歳と比較的若く、「県政再起動!」を旗印に現職・佐竹氏に対抗する姿勢を鮮明にしています。
地元に地盤を持ち政治経験も豊富な村岡氏は、佐竹氏にとって決して侮れない存在。
村岡としひで氏とはどんな政治家で、どのように選挙戦を闘っていくのでしょうか?
村岡氏の経歴や学歴、選挙公約などについて調べてみました!
目次
村岡としひで氏のプロフィール
出生と学歴
- 1960年7月25日 秋田県本荘市(現由利本荘市)生まれ
- 本庄南中学校
- 日本大学鶴ヶ丘高等学校
- 日本大学商学部卒業
村岡としひで氏は、秋田県本荘市(由利本荘市)にて当時秋田県会議員であった村岡兼造氏の次男として生まれました。
日大鶴ヶ丘高等学校時代は軟式野球部に在籍。
プロ野球元日本ハム投手の工藤幹夫がエースとして活躍していた強いチームで、東北大会で優勝したことも。
村岡氏ご本人は「外野の控え投手だった」とのことです。
日本大学では商学部に在籍・卒表。入試偏差値は52.5(2021年度・みんなの大学情報)です。
日大商学部出身の著名人には、政治家の古賀誠氏、経済人ではセントラルスポーツ創業者の後藤忠次氏、東横イン創業者の西田憲正氏、青山商事代表u取締役の青山理氏がいます。
また、お笑いタレント「オードリー」の春日俊彰、AKB48の島田晴香、テレビ朝日アナウンサーの田畑祐一も同学部の出身です。
経歴
大学卒業後 | 飛鳥建設入社 |
1989年 | 父・村岡兼造衆議院議員(自由民主党)の事務所に秘書として入所 |
1990年12月 | 兼造氏の運輸大臣就任に伴い運輸大臣政務秘書に就任 |
1997年 | 内閣官房長官政務秘書 日韓漁業協定の改定交渉などに尽力 |
2005年・2009年 | 第44回・45回衆議院議員総選挙に秋田3区・無所属で立候補し落選 |
2010年7月 | 第22回参議院議員通常選挙に たちあがれ日本 から比例区で立候補し落選 |
2012年1月〜 | エフエム秋田「WHATS THE NUMBER」でパーソナリティを務める |
2012年12月 | 第46回衆議院議員総選挙秋田3区に 日本維新の会 公認で立候補し比例復活当選 |
2014年12月 | 第47回衆議院議員総選挙秋田3区に維新の党 公認で立候補し再選 この間農林水産委員会、国土交通委員会、TPP特別委員会に所属 |
党務では農林水産委員会理事、国会対策副委員長などを歴任 | |
改革結集の会代表、民進党(野田グループ)副幹事長を歴任 | |
2017年 | 第48回衆議院議員総選挙秋田3区に希望の党 公認で立候補し落選 |
2020年12月 | 2021年秋田県知事戦記に立候補する意向を示す |
以上が村岡としひで氏の経歴です。
こうしてみると、まさに「七転び八起き」。挑戦につぐ挑戦という言葉がぴったりくる感じのする経歴です。
選挙に挑戦しては落選するけれど、それにめげることなくまた挑戦し、努力の甲斐あって当選した暁には全力疾走。
また村岡氏は、無所属から始まって、自民党→たちあがれ日本→日本維新の会(維新の党)→民進党→希望の党と所属政党が変わっています。
2020年12月の朝日新聞記事によると、父から地盤を受け継いだ秋田3区には自民党の有力議員がいたために非自民の政党を渡り歩くことになったのだとのこと。
父から地盤を引き継いだ秋田3区に自民現職の御法川信英氏がいた事情もあり、村岡氏は旧民進を含め非自民の政党を渡り歩いた。(2020年12月21日・朝日新聞)12月21日付け 朝日新聞デジタル
渡り鳥の如くコロコロと所属政党が変わるのは、やむにやまれぬ事情があったということなんですね。
現在は「捲土重来を期して」秋田県内で街頭演説などを中心にコツコツと活動中。エフエム秋田のパーソナリティーも続けています。
村岡としひで氏の家族
- 父 村岡兼造衆議院議員(自由民主党・勲一等旭日大綬章)
- 兄 村岡兼幸元JC会頭・村岡建設工業社長(2001年秋田県知事選挙に立候補)
- 叔父 秋田県建設業協会会長・村岡建設工業会長
としひで氏の父の村岡兼造氏は、第2次海部内閣で運輸大臣を、第2次橋本内閣で内閣官房長官を務めた自民党の有力議員。
兄の兼幸氏も秋田県知事選挙に立候補経験があります。
としひで氏が政治の道を志したのも自然な成り行きだったのでしょう。
現在は、奥様の「つぐみ」さん、長男、長女の4人家族です。
村岡としひで氏の公約
おはようございます
昨日は秋田市で街頭演説をおこないました。
本日は秋田青年会議所主催の公開討論会の収録があります。
しっかりと政策を訴えてまいります。停滞から成長へ
【秋田再起動】実現のため全力で頑張っていきます。#村岡としひで#秋田再起動 pic.twitter.com/99WT4QcoiC— 村岡としひで (@Muraoka_Toshi) March 14, 2021
村岡としひで氏は、2021年秋田県知事選挙出馬において政党の支援を求めず無所属で闘う意向を示しています。
以下、村岡氏の公式ウェブサイトにて「令和版・大いなる秋田構想」として発表されている選挙公約を簡単にまとめてみました。
コロナ対策
- 前県民へのワクチン接種を完了させるスピード重視のロードマップ作成
- いつでも・誰でも無料でPCR検査が受けられる体制の整備
- 医療介護崩壊を招かないよう、医療機関、介護施設への手厚い支援の充実を図る
- コロナで影響を受けた企業・飲食業・観光産業・個人を支える支援・給付・減税を推進
秋田県政再起動!と題された公約群の最初に登場するのがコロナ対策。一丁目一番地ということですね。
全県民へのワクチン接種と無料のPCR検査の拡充に力を入れる方針が見て取れます。
重点政策
「秋田再起動」ポイント
- 日本一女性が活躍する秋田に再起動!
- 秋田の賃金アップ官民協働戦略で再起動!
- 再生産可能な米価戦略で再起動!
- がんセンターの設立で再起動!
- 再生可能エネルギー
- プロスポーツを成長産業に!
女性活躍
秋田県庁における男女比率は男性8割・女性2割。
女性副知事の登用、女性管理職を10年で30%アップさせることで、将来の女性管理職・職員構成50%を目標に推進します。
また、市町村・民間企業の女性活躍を強力に支援し、県全体の取り組みとして全面展開します。
賃金アップ
秋田県の賃金水準は男性が全国46位、女性が43位と低位。これを官民挙げて打破する戦略を提案します。
地元資本の売り上げ100億円企業が10社以上となるよう県が推進。
また中小零細企業向け支援制度を整え賃金水準の底上げを狙います。
農林水産業を守る
再生産可能な米価実現のためにブランドアップ戦略をを実施し、稲作を守ります。
また林業・水産業の担い手を確保し、儲かる産業へと発展させます。
がんセンター設立
秋田県は残念ながら23年連続がん死亡率ワースト1位。これを早急に改善します。
医療特区などを活用し、世界最先端型消化器がんセンターの設立を推進。
これをきっかけに最先端医療機器メーカーの誘致を目指します。
再生可能エネルギー
秋田県の大型洋上風力発電を日本の再生可能エネルギーの一大拠点に発展させることで、新たな産業や雇用の創出につなげます。
また、水力発電所、バイオマス発電所、地熱発電所の設置などで脱炭素化に向けた再生可能エネルギー利用を促進していきます。
プロスポーツを成長産業に
バスケットボール、サッカー、ラグビーなどの秋田のプロスポーツは、県民に夢、希望、感動を与え賑わいを創出し、地域経済に大きく貢献します。
成長産業化に向けて税の優遇、官民ファウンド(ファンド?=管理人)の活用などの検討を行い、国や自治体、民間企業、県民と協力して推進します。
村岡氏の秋田県知事選挙公約には、秋田県の抱える問題を真剣に考えつつ、持てるリソースを生かし潜在力を発揮していく方針が見て取れますね。
県庁における女性比率アップなどのすぐに手掛けられそうなものから、実現に向けたハードルの高いものまでバラエティに富んでいます。
選挙戦では、これらの公約を実現するための具体的な方策が聞けるのではないでしょうか。 要注目です!
村岡としひで氏の評判
村岡敏英、秋田県知事選挙出るなら2019年の参院選の身の振り方完全に間違えたでしょ。
— もみやで@insoumise (@Japon_Insoumise) January 16, 2021
地元の方々に聞いた話の印象では、佐竹の殿様の苦戦がうかがえる。
秋田県知事選挙、目が離せない。— こま(山と空は自己責任) (@koma_j57) March 13, 2021
秋田県知事選挙も間近か。
意外と新人候補、票を取りそうな感じだな。
寒いなか、孤独の戦いの姿を見せながら、政策を訴えてきた姿を、世間は見てるのだろうね。— 笹山登生 (@keyaki1117) March 12, 2021
ちらほらと集まってきた2021年秋田県知事選挙に関するツイート。
意外や現職の佐竹氏の苦戦を呟くツイートも見られるなか、「孤独の戦い」の姿を見せる新人候補の健闘を告げる意見がありました。
この「新人候補」が村岡氏のことかはわかりませんが、コツコツと地道に地元を回る村岡氏の姿と被る印象はありますね。
まとめ
- 2021年秋田県知事選挙に元衆議院議員の村岡としひで氏が立候補
- 村岡氏は由利本荘市出身で、後に運輸大臣や官房長官を務める村岡兼造氏の次男
- 父から地盤を受け継いだ秋田3区に自民党の有力議員がいたため、非自民の政党を渡り歩いた
- 現在の家族は奥様と長男、長女の4人
- 村岡氏の選挙公約は秋田県再起動を掲げる意欲的なもの。中には実現のハードルの高いものも
- 地道な選挙活動に理解を示す有権者も存在する模様
村岡としひで氏は、失礼ながらちょっと不器用なところもある方です(ゴメンなさいっ汗)。
何度も選挙に落選しながらも決して諦めず、地道な努力を重ねる姿はまさに「七転び八起き」という言葉そのまま。
2021年の秋田県知事選挙では、「殿様」として名を馳せる現職の佐竹敬久氏、あふれる才気を武器に県政改革を訴える山本ヒサヒロ氏がライバル。
普通なら尻込みしてしまうメンバーですが、村岡氏は決して諦めないのですね。
強力な地盤も、名家の血筋も、人を圧倒するような才能も持っていないように見えるm(_ _)m村岡氏は、むしろ普通の有権者に近い存在。
そして、それこそが村岡氏の強力な武器となりそうな気もします。
なぜなら、秋田県に限らず有権者というものは「ごく普通の人々」がほとんどだからです。
「あの候補、頑張ってるな。応援してあげようかな」‥などと有権者に思わせれば勝機も見えてくるかも!?
告示日が迫る2021年秋田県知事選挙、東京や千葉の知事選挙のような派手さはありませんが、なかなか目が離せない展開になってきました。
真断なくレポートして参りたいと思います!(^○^)
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