新型コロナウイルスによる感染拡大を受けて、学生の学業の遅れを取り戻すのを目的として浮上していた「9月入学」案。
かねてから国民の間でも議論が沸騰していましたが、政府と与党は27日、来年度の導入は難しいとして来年度の導入を見送る方針を固めました。
ただ、自民党のワーキングチーム(WT)は幹部会合を開き、中長期的な導入へ向けての議論を継続することで一致。
自民党内にも賛成する人は少なくないようです。
日本の教育制度をある意味根本から変え得るドラスティックな改革・9月入学。
賛成しているのは主にどのような人々なのでしょうか。
目次
「9月入学」に賛成するツイッターの声
ツイッター上で、9月入学に賛成する人々の声を拾ってみました。
本日も学校生活スケジュールについて、教育委員会と協議しましたが、もしコロナ第二波第三波で再度学校休校が必要となった場合には、1年間のカリキュラムを来年3月で終了させるのは困難です。自民党は児童生徒にとっての最善策を考えるべきです。 https://t.co/W0vqEQ57EV
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) May 28, 2020
尾木ママ、よく分かっていらっしゃいますね。
教育をないがしろにしていることは国にとって大損害になるのに。#学校再開反対 #今年度延長賛成 https://t.co/2qdixu3PWO— 広士 (@iazTTeqydDNFKyg) May 28, 2020
#九月入学本当に今です
大人達が現役学生達を守らなくて誰が守りますか?
社会が混乱するからというのは理由になりません。それは後からゆっくり審議すればいい事です。
今の学生達に失った時間を取り戻す機会を与えてあげて下さい。#9月入学賛成 #2020年度17ヵ月 #今年度延期— がー子(攻撃的に絡む人とは話しません) (@garko1torao2) May 26, 2020
とにかく早く決めて欲しい。
6月から詰め込み授業が始まるから。
小6中3高3が可哀想。
そもそも夏休みが長いのは日本の夏が暑くて危険だからでしょう?#9月入学賛成#今年度延長賛成#詰め込み授業反対
「9月入学」めぐる動き急加速 夏までに結論予定 https://t.co/8woYnEJudH— ツイートします!!! (@ai_mana_0724_) May 25, 2020
とても熱い議論が交わされているようです!
9月入学に賛成する人々とは
9月入学に賛成しているのは主に以下のような人々です。
9月入学賛成派の人々
- 一部学生(特に受験生)
- その保護者たち
- 6割の都道府県知事
- 一部自治体首長
- 一部の政治家
- 一部の教育評論家
5月27日付の時事通信は、9月入学を求めて同級生と共に署名活動を開始、23600人分の署名を集めた女子大生の記事を配信しています。
また、5月13日付の日経新聞は、グローバル化の進展に期待するとして全国の都道府県知事の6割が賛成していると報じました。↓
学校の始業や入学時期を9月にずらす「9月入学(総合2面きょうのことば)」について、日本経済新聞が都道府県知事に賛否を聞いたところ、回答したうちの約6割が賛意を示した。グローバル化の進展に期待する声が目立った。(5月13日・日経新聞朝刊)
知事ではありませんが、上の項のツイッターに名前の出てくる松井大阪市長もその1人ですね。
さらに、「尾木ママ」として知られる教育評論家の尾木直樹氏は28日、自身のブログで率直に失望を表明しています。↓
これまでにブログ、出演したテレビ番組などで9月入学制の導入を訴えてきた尾木氏。この日は「僅か2、3週間で撤退とは!!子どもと教育守るのは誰か?」とのタイトルで記事をアップし、〜中略〜 障害を挙げるだけ挙げて『やめた』というこの軽さ やっぱり日本は子どもたちと教育大切に出来ない 未来見つめることが苦手なのでしょうか?」と率直な思いを吐露。(5月28日・スポーツ報知)
このように、当事者となる学生・受験生だけでなく、都道府県知事や評論家など、発信力のある人々が多く9月入学に賛成しているんですね。
9月入学のメリットとは
賛成派の人々があげる9月入学のメリットは以下のようなものです。
- オンライン学習環境の格差からくる不公平感の解消
- 短期間で履修内容を詰め込むことへの不安感の解消
- 夏の長時間学習の身体的負担の軽減
- 時間的余裕ができることで、学校行事・部活などを行えるようになる
- 欧米と入学のタイミングを揃えることで教育の国際化が図れる
確かにオンライン学習環境の格差は深刻です。
自治体によって、または公立学校と私立学校で教育機会に格差があるのも事実。
不公平感は拭えません。
夏の暑い時期に長時間授業を行うことに対する心配の声もあります。
また、貴重な中学生・高校生の時期に文化祭や修学旅行などの行事が失われるのは、まさに残念という他はなく、真摯に耳を傾けるべき意見。
このように、9月入学賛成の意見には、単にグローバル対応というだけではない、切実な事情があるのです。
まとめ
- 9月入学に賛成しているのは、・当事者である学生と保護者
- ・一部都道府県知事や自治体の首長
- ・一部の政治家、教育評論家
- 9月入学のメリットは・学習機会の均等・長時間詰め込み学習への懸念・学校行事や部活に時間を使えること
- 欧米と入学時期を合わせることで留学生への便宜を図れる
日本が4月入学制度を取り入れて100年。
桜の咲く頃の入学式は日本人の感性にぴったりで、諸外国とは別にひとつの文化として定着してきた感があります。
その習慣を根本から見直そうというのが今回の動き。
新型コロナウイルス感染拡大を発端に、今や国民的議論が起こっています。
まだ結論が出たわけではないこの問題。
賛成派の人々の切実な声を気に留めつつ、違う意見にも耳を傾けていくつもりです。
ここまでお読み頂いてありがとうございます。