任期満了に伴う2021年山形県知事選挙は、2021年1月7日告示、1月24日投開票。
元県議会議員で新人の大内理加氏(57)と、4選を目指す現職の吉村みえこ(本名・美栄子、69)氏の女性二人による一騎討ちで争われます。
山形県知事選挙は、過去2回(2013年・2017年)安定した支持基盤を持つ現職の吉村氏による無投票再選が続いており、選挙戦となるのは3期12年ぶり。
吉村氏の分厚い牙城を切り崩すべく立候補した新人・大内理加氏とは、一体どのような方なのでしょうか。
調べてみました!
目次
大内理加氏のプロフィール
1963年 | 山形市生まれ |
1976年 | 山形市立出羽小学校卒業 |
1979年 | 山形市立第七中学校卒業 |
1982年 | 山形県立山形西高等学校卒業 |
1986年 | 同志社大学文学部卒業・(株)山形テレビ報道制作局制作部勤務(番組ディレクター) |
2007年 | 山形県議会議員選挙初当選・以降4期連続当選 |
2011年 | 自民党県連幹事長代理・自民党県連女性局長 |
2018年 | 自民党県連総務会長 |
2020年 | 山形県議会議員辞職・山形県知事選挙に自民党公認で立候補 山形県紅花生産組合連合会会長 |
大内理加氏の学歴と職歴、経歴はご覧の通り。溌剌として優秀・有能な女性のイメージが浮かんできます。
2021年山形県知事選挙には、自民党山形県連の公募に応じる形での擁立が決まりました。
興味深いのは「山形県紅花生産組合連合会会長」の肩書き。
古くは源氏物語に「末摘花」として名前のあがる紅花は、山形県の県花なのですね。
かつて高級な染料として用いられていた山形産の紅花栽培は、近年安価な中国産や化学染料に押され、衰退しつつあったようです。
それでも昭和25年頃から復興の動きがあり、昭和40年に山形県紅花生産連合会が組織され、紅花の文化的伝統を守る活動が地道に続けられていました。
大内氏はその会長を務めているということですね。
そして、大内氏を支援する女性の会の名前は「紅子町の会」。紅花に因んで名付けられたのではないでしょうか。
氏の、山形県への郷土愛が感じられるエピソードです。
大内理加氏の政治信条と政策
https://twitter.com/rika_oouchi/status/1335923290779471873?s=21
政治信条
大内氏の政治信条は、とてもわかりやすいです。
ポイント
- 現山形県政は国との連携が薄い
- それゆえ国庫支出金の額が少なく、また必要なところに予算が行き渡っていない
- 県民に行政に対する不信感が生まれ始めている
- 公平・公正・透明性のある山形県政を取り戻す
- 県会議員時代の経験や人脈を生かし、選ばれる山形県をつくりあげる
大内理加氏のウェブサイトには、現在の県政に対する厳しい言葉が並んでいます。
「県民による行政への不信感」「公平・公正・透明性のある山形県政を取り戻す」などは、まるで現職への挑戦状のよう。
大内氏は、人口減少率の上昇、県民一人当たりの年収が伸びないことなどを挙げ「このままではいけない(公式サイトより)」という強い危機感を示しています。
「山形県は損をしている」という言葉の通り、まずは国との連携を深め、国の予算を引っ張ってくることを第一に考えているようです。
政策
https://twitter.com/rika_oouchi/status/1333050080388005893?s=21
大内理加氏の 山形県知事選挙に向けた4つの政策「選ばれる山形にするための4つの柱」は以下の通りです。
4つの柱
- 交通インフラの前倒し
- 地域医療体制の構築
- 教育県山形の復活
- 県土強靭化の促進
山形をもっと豊かにするために何が必要か。それはまず県内が一つになって力を合わせる体制を整え、国との連携を最大限に活かしていくことだと思っています。
しかし現在は、偏った県政により県内の不協和音が聞こえてきます。まずは県内を一つにまとめていくための役割を私が最初に担わなくてはいけないと考えています。
「選ばれる山形」とは何か?
大内氏は、山形県の以下の現状を挙げ、県民、日本中、そして世界から「選ばれていない」事実をあぶり出しています。
- 15歳から29歳の若年女性の県外流出率が全国1
- 移住したい都道府県全国ランキング42位、魅力的な都道府県ランキング全国39位
- 外国人観光客宿泊数全国に占める割合0.2%
このような現状を打破するべく、政策の柱と共に各地域のための政策課題を抽出。
「すべての県民に寄りそう県政を実現する会 政策集」として、ウェブサイト上で公開しました。
新庄最上地域、庄内地域、西村山地域などなどの地域ごとの具体的なマニフェストを策定することで、山形県の潜在力を引き出し、大内氏が提唱する「選ばれる山形へ」つなげるための指標となっています。
大内理加氏の家族・親族
さて、このように県政に対する熱い想いをたぎらせる大内理加氏。
彼女のご家族や親族などのバックボーンはどのようなものでしょうか。
- 大内氏の家族は公認会計士の夫のみ
- 大内氏の父、祖父ともに元県議会議員
- 母の美佐子さんは他界
大内氏のご家族は夫のみ。お子さんはいません。
夫の押野正徳氏は、元日本公認会計士協会東北会山形県会長。
2017年に新日本監査法人を退職し、独立開業しました。
大内氏の政界入りを「子どもがいない分、議員になれば世の中の子どもたちを助けてあげられるのでは」と、背中を押してくれた方です。
大内氏の父、孝一氏、祖父の博氏はともに県議会議員。
父の孝一氏が県議を引退するときに理加氏を後継にと指名しました。
政治家一家に生まれた理加氏が、やがて父や祖父と同じ道を辿るのは、ある意味必然であったのかもしれません。
大内理加氏のネットでの評判
自民党県連に擁立され、2021年山形県知事選挙に出馬する大内理加氏。
ネットでの評判はどのようなものでしょうか?
是非、公平で公正で透明な県政の実現をお願いします。
今の県政は公平で公正で透明とはとてもいえない状態だと思います。頑張ってください。
— MAZ219 (@maz219) November 22, 2020
偏りのある県政運営を許してしまったのは、自民県連が候補者すら立てれなかったという責任もあるのではありませんか?
とはいえ、大内さんには今の専横状態の県政を変えて欲しいという期待を持っています。頑張ってください。#山形#yamagata#山形県知事選 https://t.co/jpj4aa7FVl— 肉球 (@oniku_299) November 22, 2020
大内りかさん、主張は真っ当。
ただこの切れ物系は山形では特に高齢者にウケない。「そんな小難しい事言ったって〜」
で一蹴される。齋藤弘さんが現知事に敗れた時と一緒。
難しいことは言わず、本性は別として何となく安心出来るほっこりおばちゃんの方がウケちゃう。
と、県外から見てて思う
— たくぼう (@montakubow) November 13, 2020
来年、知事になって
是非スタジアムへ✋ブーイングなどしませんからw https://t.co/f1Xqayi9GC
— きたさん (@inazou4) December 13, 2020
私が子育てしてる時に…
もっと早く県知事になって欲しかったなぁ♡でも我が子達はこれからだから
未来のパパママは本当に有難いと思います☺️ https://t.co/Prd2csBXpz— mama❀.*・゚✿゜ (@u0txsGuSDuEErVD) December 16, 2020
ツイッター上には、大内理加氏による、県政の改革を期待する声が数多く寄せられています。
はっきりと現職への不満を呟く有権者の声もいくつか見受けられました。
やはり山形県の「停滞」を肌で感じている有権者が多いということではないでしょうか。
まとめ
- 1月7日告示・24日投開票の山形県知事選挙は、女性二人の一騎討ちにより争われる12年ぶりの選挙戦
- 新人候補の大内理加氏は自民党県連の公募に応じ党公認候補として立候補
- 大内氏は山形市出身・同志社大卒で元テレビ局勤務、及び元県議会議員
- 与党自民党との太いパイプにより「選ばれる山形県」への改革に意欲
- 現県政への不満から大内氏の知事選挙出馬に期待する声は多い
ラクダは考える
大内理加氏は57歳。現職の吉村みえこ知事(69)とは一回り年齢が違います。
吉村知事のどこかゆったり・おっとりとした雰囲気とは違い、大内氏は若く活力にあふれ、県政の「停滞」にするどく切り込んでいく意欲満々。
特に岸田前政調会長の応援を得るなど、政権与党との太いパイプは大内氏にとっての強みであり安心材料です。
山形県は多くの魅力を持った県ですが、大内氏は「現在の県政はそれを生かし切れていない」という歯痒さを感じています。
さらには「このままではさらに地盤沈下してしまう」という強い危機感が彼女を駆り立てているように思えました。
2021年早々に告示日を迎える山形県知事選挙。
2期に渡って無投票当選となった、強い支持基盤を持つ現職に対し、まだ無名と言って良い大内理加氏がどこまで善戦できるかが注目されます。