温泉の町・湯河原。その中心部の「温泉場」地区、千歳川沿いの緑地に万葉公園はあります。
湯河原に行ったなら、是非とも訪ねてみたい場所のひとつ。
足湯「独歩の湯」で有名で、海外からも観光客が訪れています。
目次
湯河原と万葉公園の概要
アクセス
JR東海道線快速アクティーにて東京駅より1時間30分
交通機関…JR東海道線快速アクティーにて東京駅より約90分 湯河原駅から不動滝・奥湯河原行きのバスにて落合橋下車
東名高速厚木ICより小田原厚木道路経由で約100分〜
駐車場…(湯河原観光会館)料金:普通車 1時間100円
http://www.town.yugawara.kanagawa.jp
湯河原の歴史
湯河原温泉は、約1200年前の奈良時代に編纂された「万葉集」(760年前後)にも登場する、日本最古の温泉のひとつです。
「足柄(あしがり)の 土肥の河内に 出る湯の 世にもたよらに 子ろが言はなくに」(万葉集 第十四巻 相聞)
解釈:「湯河原の温泉が湧き出でるように彼女が自分のことを想っていてくれるのかわからず、仕事が手に付かない」
古代のおおらかさを感じさせます。
また、西暦700年ごろには奈良時代の僧侶・行基も使ったと言われています。
温暖な気候と立地の良さ、海に近く山海の幸に恵まれた湯河原は、古くから温泉地としての評価が高く、江戸時代の温泉番付では常に上位にランクインしていました。
江戸幕府に薬湯として献上していたとの記録も残っているようです。
さらに、明治29年に小田原から熱海に鉄道が開通すると、多くの人々が湯治に訪れるようになりました。
中でも明治時代の文人たち、
夏目漱石、島崎藤村、国木田独歩らがしばしば訪れ、いくつかの作品を生み出しました。
また、山本有三、谷崎潤一郎はこの地を愛し、ついには移り住んだことで有名です。
万葉公園
万葉公園は、湯河原温泉をテーマとした町営の公園です。
千歳川と藤木川が合流する落合橋の製法に位置する緑地公園で、日本の歴史公園100選に指定されています。
入園無料。
元々は敷地内の熊野権現神社に由来する権現山公園と、大倉陶園の創業者である実業家・大蔵孫兵衞の別荘地として措定された大蔵公園が併設されていましたが、1951年に「万葉公園」へと改名されました。(Wikipediaより)
名称は当然、万葉集の和歌に由来するものです。
園内には万葉集由来の木々が植えられ、また万葉時代の古代建築を模した茅葺き屋根の茶室などが整備されています。
散策路が整備され、木立の中でマイナスイオンを浴びつつ歩くことができます。
またあちこちに自然の滝が落ち、清々しい気に満ちています。
足湯「独歩の湯」について
万葉公園入り口から遊歩道を歩いて約10分。神社にお参りなどしながらゆっくり進むと約20分ほどで、足湯として有名な「独歩の湯」に到着します。
湯河原を愛した文人のうち、国木田独歩は「湯河原より」という作品を発表するほどにこの土地への思いが強い作家です。
「独歩の湯」は、そんな彼にちなんで名付けられました。
営業時間 10:00〜18:00 (11月〜2月は17:00閉園)
料金 大人(15才以上)300円、小・中学生200円
休館 毎月末木曜日(該当日が祝日に当たる場合はその前日)
独歩の湯は9つの温泉をたたえた足湯から成り、それぞれの温泉には人の臓器の名前がついています。
園内は風水を意識して設計され、日本列島を模して造られています。
内部の円すい形や球体のオブジェには現在や未来を表しているとのこと。
また、大きな円形をした園の東西南北には平安京を守ったとされる獣神の名前のついた門があります。
東側に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武。
四隅を堅く護られた、ここもパワースポットと言えるのではないでしょうか。
湯河原と万葉公園の感想
古い温泉の地・湯河原には、箱根や軽井沢のような華やかさはありませんが、なんとも言えず鄙びた風情があります。
創業700年ものお手焼きの煎餅専門店などがあり、古い歴史を感じさせます。
また奥湯河原には名だたる高級旅館が軒を連ね、格式の高さも折り紙つき。
その中にある万葉公園はこの地に相応しく、清々しさと歴史の重みを感じさせる憩いの場です。
首都圏だけでなく海外からも多くの観光客を呼び寄せる魅力に満ちた観光地といえるでしょう。
今回は残念ながら時間の関係で独歩の湯に浸ることはできませんでしたので、次回はぜひ体験してみたいと思います。